北欧家具と相乗効果

1900年代に北欧のモダニズムが急激に伸びた原因に、相乗効果が挙げられるのではないでしょうか。

当時の北欧の国々では、高い頻度で、万博や展覧会を開いていました。

1930年に、スウェーデンで行われた、ストックホルム博覧会は、スウェーデン工芸大学の主催でしたが、実に3カ月の間続けていたと言いますし、1955年にヘルシンボリで行われた、H55もスウェーデン工芸大学の主催で行われましたが、こちらに展示されていたものは、一般市民にとっても価値のある物が多かったと言います。

1930年と、1955年と言うのは、北欧の国がモダニズムを掲げ、大きく躍進した都市でもありますし、北欧の国々が、北欧家具や、建築を展示会で披露する事によって、お互いに意識しあい、対抗心を燃やした結果、相乗効果が生まれ、北欧の大躍進に繋がったのではないかと思います。

さらに、その様な展示会は、現代にも受け継がれていて、流石に当時の様な規模と、盛況を越える事は難しいかもしれませんが、若手のデザイナーや、古株のデザイナーにとっても良い刺激になる事は間違いないでしょうし、これからも、この様な風習は続いて行き、良い相乗効果をもたらすのではないかと思います。

イルマリ・タピオヴァーラ

イルマリ・タピオヴァーラは転職の多かった北欧家具デザイナーとして知られており、1914年にフィンランドで生まれ、1935年にはロンドンに渡り、アルテックのロンドン支社に1年程勤めた後に、フィンランドに戻ってきました。

さらに、遅ればせながら、フィンランドの工業デザイン学校に入学して、インテリアデザインを学びました。

そして、パリに渡り、研修を終えた後に、フィンランドの北欧家具として有名な、アスコ社で、アートディレクターとして働いていました。

その後、独立して、家具製造会社を立ち上げ、1950年には、建築家の妻と、デザイン事務所を立ち上げたのです。

タピオヴァーラは1946年に、ヘルシンキの学校から受注を受け、製造した家具が、イルマリ・タピオヴァーラを代表すると言われている、ドムスチェアと言う椅子であります。

この椅子の最大の特徴は、組み立てる事が可能ですので、小さく梱包したり、持ち運びが出来たりするのですが、デザインだけではなく、細かな機能性まで追求するタピオヴァーラの姿勢が、このドムスチェアには表れていると思います。